本切羽とは?
本切羽について解説していきます。
福岡天神オーダース専門店テーラーグレイスです。
お洒落にこだわる男性はスーツやジャッケトの袖口が「本切羽」になっているか気になる方もいるのではないでしょうか?今回は「本切羽」について掘り下げていきたいと思います。
本切羽
ボタンホールの穴が開いてるものを「本開き」と言い、英語では「surgeon's cuff(外科医の袖口)」と言いわれています。
この本切羽が生まれた理由に関しては様々な説がありますが、急ぎの用の際に医者がジャケットを脱がずに袖をまくり作業できるように袖口に開閉機能がついたというエピソードが有名です。
スーツ全体のディテールの中では細かい部分ですが、こなれ感を演出したい方にオススメのディテールです。
本切羽
メリットは「シャツごと袖をまくる着崩しがしやすい」という点です。
本切羽の起源となった外科医をイメージさせる着こなしとも言えますね。
本切羽のボタンを1つか2つ開けることで「袖口に抜け感を演出できる」という点で、イタリアン的な着こなしをする方も多いです。
※Tailor Grace的には本切羽のボタンを開けるスタイルは推奨していません。
本切羽でもしっかり留めるのが、見えない男のこだわりだと考えています。
本切羽のデメリット
お洒落でこだわりのある方には人気の本切羽ですが、本切羽はボタンホールが空いているため袖口の大幅な長さ調整、袖を短くするのが困難になります。
袖口から直せないとなるとアームホールから直すしかありません。
よって、本切羽の既製ジャケットは袖の大幅な直しが不要なある程度のジャストサイズでなければならないという点が弱点だといえるでしょう。
それに対し、本切羽ではないジャケットやスーツは袖調整を柔軟に行うことができるのがメリットといえます。
補足…
クラシックなジャケットの袖口ボタンの数は4つが基本ですが、4つのうち袖口から近い3つのボタンのみが開閉できる仕様が最もスタンダードになっています。
この理由としてイタリアにおける上質なジャケットは子供に引き継ぐという風習に対応したディテールで、子供が成長して自分よりも腕が長くなった場合に袖口を出し、袖口から最も遠い第4ボタンを取り外して第1ボタンとして装着しボタンホールを開ける際に都合が良いといわれています。
皆様もこの機会に親子の歴史をを刻めるジャッケットを
オーダーしてみませんか?(^^♪
過去のディテール用語説ですのでこちらもご参照ください。